現役美容師が解説するパーマと白髪染め併用の問題点
ホームケアでの白髪染めとして人気の『マイナチュレカラートリートメント』。
愛用している方や、これから使ってみようと思っている方も多いと思います。
ここでひとつ疑問が。パーマって今まで通りにかけられるのか?ということです。
今回はそのテーマについて、現役美容師である私が検証していきたいと思います。
カラートリートメントとパーマの組み合わせが良くないと言われる理由は
基本的には、カラートリートメントとパーマはあまり相性が良いとは言えません。
なぜなら次のような理由があるからです。
① 様々な染料が使われており、パーマ液と化学反応をおこすことがある
一番恐ろしいのは、髪が変色してしまう可能性があるということです。美容室でやるカラー剤は、パーマと併用しても問題のない成分でできています。
しかし、カラートリートメントはHC染料や植物染料が多く使われています。これらの染料は髪には優しくていいのですが、パーマ液と化学反応をおこし、変色の原因になることがあるのです。
詳しくは後ほど説明していきます。
② カラートリートメントの色が落ちる
パーマ液はカラーの色を落としてしまいます。これは性質上やむを得ない現象なのですが、カラートリートメントの場合は特に顕著に退色します。
カラートリートメントは髪の表面に色をくっつけるようにして発色するので、その色が根こそぎ落ちてしまうのです。これは美容室でのカラーでも同じことが言えるのですが、ある程度色落ちすることは覚悟しておきましょう。
③ パーマがかからないことがある
美容師の立場からすると、結構大変なのがこれです。場合によっては全くかからなかったり、かかってもすぐ落ちてしまったりします。これはヘナなどの髪を強化する植物染料などの場合が多いです。
パーマは髪が痛み過ぎてもかかりませんが、全く痛んでいなかったり、髪自体が強すぎてもかかりが悪いものなのです。
ですから、ヘナなどで髪を強化コーティングし続けた髪は、パーマが全くかからない場合があります。
また髪の表面をカラートリートメント剤がコーティングしていることにより、パーマの薬の力が弱まり、かかりが悪くなる場合もあります。
含まれる染料とパーマの相性
注意してほしいのが、どんな染料が含まれているのかということです。ヘナという葉っぱの染料が含まれている場合は、使い続けるとパーマがかかりづらくなる可能性があります。
またヘナ以外にも注意したいのが、青色を多く含むHC染料や塩基染料です。
ブラックや暗めのダークブラウンに入っていることが多いのですが、青色の染料は髪に残りやすく、緑や青に変色する可能性があります。
カラー剤は青・赤・黄の色でできていることが多いです。赤は最初に抜けやすい特徴があり、残った青と黄が混ざり、緑になりやすいのです。
また硝酸銀という物質も化学反応を起こしやすいので要注意です。
ただ、それを使うとパーマ液で必ず変色してしまうというわけではありません。様々な条件が重なってしまったときに起こる、という様なイメージです。
マイナチュレカラートリートメントの場合
では、マイナチュレカラートリートメントはどうなのでしょうか。
調べてみたところ、パーマのかかりを悪くしそうな成分は含まれていませんでした。きちんと間をあけてからパーマをかければ問題なさそうです。
また配合されている染料も、変色の危険性が少ないということでした。もともと抜けやすい赤の色素が入っていないため、緑になりづらいようです。
こう見ると、使い方さえ間違えなければどちらも問題なさそうです。優秀なカラートリートメントですね。
どうしてもパーマをかけたい時は
でもやっぱりパーマをかけたくなる時はあります。そんな時はどんなところを注意すればいいのでしょうか。
① パーマをかける2週間前からカラートリートメントの使用をストップする
カラートリートメントは髪の表面に色をのせているだけなので、やめれば日々のシャンプーで落ちていきます。ですから、できれば2週間前(最低でも1週間前)から使うのをやめましょう。
② 当日は美容師にカラートリートメントを使っていることを伝える
念のため担当の美容師に伝えてください。かかりが悪いことを想定してパーマの薬剤を選定できるので、失敗も少なくなります。
③ パーマをかけて1週間後くらいからカラーを再開する
パーマの薬がしっかり定着するには数日かかることもあります。余裕をみて、1週間後くらいからカラートリートメントを再開すると安心できると思います。
もし緑に変色してしまったら
万が一、変色してしまったらどうしたらいいのでしょうか。
緑色や青色に変色してしまった場合、化学反応で髪の中まで色が残っている状態です。残念ながら、すぐには落とせないと思ったほうがいいでしょう。
そこで、できる対処法としては次のようなものがあります。
- シャンプー回数を増やす
- 上から赤みのある色を重ねる
まず、すぐに使用をやめてください。同じカラートリートメントを重ねても状況が悪化してしまいます。
そしてご自身で一番簡単にできることといえば、シャンプーで地道に退色するのを待つことです。
回数を増やして退色を早めてもいいです(パーマ直後はNG)
光に当たって少し緑っぽいというくらいでしたら、この方法もありだと思います。
今すぐ色をどうにかしたいという場合は、上からカラー剤やマニキュアを重ねるしかありません。これは高度な技になりますので、美容室でやってもらうことをおすすめします。
それでも緑色を完全に取りきれるわけではないので、希望の色にならない場合もあります。
まとめ
パーマをかける場合は慎重に
いかがでしたか。今回はマイナチュレカラートリートメントでのお話でしたが、これからカラートリートメントを使ってみたいという方は、是非参考にしてみてください。
カラートリートメントとパーマは、きちんと注意事項さえ知っていれば、併用も問題なく可能です。
パーマ後にカラー剤を使うのと、カラートリートメントを使うのとでは、その後のダメージ度合いも違ってきます。
そういう意味でも、カラートリートメントを上手に使っていけるといいと思います。