ドラッグストアにたくさんあるけど何を選んだらいいの?
現役美容師が成分の違い、自分に向いているかどうかどう選ぶか解説します
美容室に行く時間がない時、どうしても今日中に髪を染めたい時、とても便利なのが自宅で染めることができるセルフカラーです。
しかしセルフカラーといっても、ドラックストアには様々な種類があると思います。
今回はセルフでできる『ヘアカラー(ヘアダイ)』、『ヘアマニキュア』、『カラートリートメント』の違いをご説明していきます。
またそれぞれについての成分や、どのような場合に適しているのかもお伝えしていきます。
内容成分や染料の違いについて
まずはそれぞれの違いをみていきましょう。
薬剤の分類、使用されている染料の種類、髪に対するダメージ度合いについて比べてみます。
ヘアダイ・アルカリカラー | ヘアマニキュア | カラートリートメント | |
分類 | 医薬部外品 | 化粧品 | 化粧品 |
染料 | 酸化染料 | HC染料 | 塩基性染料 HC染料 植物染料 |
髪へのダメージ | あり | なし | なし |
化粧品と医薬部外品の違いとは
「医薬部外品」とは、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されています。[治療]というよりは[防止・衛生]を目的に作られています。
「化粧品」とは、医薬部外品と比較してもさらに効能・効果が緩和で、清潔にする、美化する、魅力を増す、健やかに保つなどの目的で使用される製品です。
花王お肌ナビhttps://www.kao.com/jp/binkanhada/ingredient_01_01/
アレルギー反応を起こす可能性のある成分ははいっているか
肌が弱い方は特に気になる、アレルギー反応の可能性についてみていきます。
アレルギー反応とは、軽いかぶれや赤みが出る比較的軽症なものと、最悪の場合はアナフィラキシーショックを起こす可能性がある危険なものがあります。
どちらも異常を感じたらすぐに使用をやめて、一度皮膚科にみてもらうことをおすすめします。
アルカリカラー | ヘアマニキュア | カラートリートメント |
可能性あり | 可能性なし | 可能性ほぼなし |
ジアミン系の成分でアレルギー反応が出る場合がある (場合によってはアナキラフィシーショックが出る可能性あり) | 根元には薬を付けないのでなし | 基本的には大丈夫だが、植物染料で軽いかゆみが出る可能性あり |
白髪染めとして使われるアルカリカラー(ヘアダイ)は医薬部外品です。肌が弱くて気になるという方は、実際に使う前にパッチテストをおすすめします。
専門用語「パッチテスト」
パッチテストとは、実際に頭皮に使う前に腕の内側などに少量つけて様子を見る検査方法です。24時間〜48時間おいても赤くなったりしなければ、頭皮に付けても問題ないという判断ができます。
色もちはどのくらいか
では染めた部分はどのくらい色もちしてくれるのでしょうか。
アルカリカラー | ヘアマニキュア | カラートリートメント |
2~5か月ほど | 2週間前後 | 1週間前後 |
染めた部分は、基本的には色持ちが良い | シャンプーのたびに少しずつ色落ちする | シャンプーのたびに少しずつ色落ちする |
ヘアマニキュア、カラートリートメントの色落ちは早めです。ただ色が完全に落ちる前に重ねることで、色をキープすることは可能です。
ただし、新しく生えてくる毛(白髪)は時間の経過とともに気になってくるところはどちらも変わりありません。
人間は1ヶ月で1〜1.5センチほど髪が伸びると言われています。そのため、根本から染めても1ヶ月後には1センチ以上伸びることになります。
アルカリカラー(ヘアダイ)の特徴とメリット・デメリットとは
アルカリカラーのメリット
- 色持ちがいい
- 白髪も一度でしっかり染まる
- なりたい色が選べる
- 明るくも暗くもできる
- 頭皮についても色が残らない
アルカリカラーのデメリット
- 髪にダメージがある
- アレルギー反応の可能性がある
- 中まで色が入るので、色ムラができるとなかなか直らない
- 場合によってはカラーチェンジしづらくなる
- 化学反応させるのでしみやすい
- 一度薬剤をあけたら使い切りになる
やはり一番の特徴は一度でしっかり染まるというところだと思います。
キューティクルを開けて、髪の内部まで染料が入り込むのが特徴です。その代わり、少なからずダメージもあります。
また根元だけ染めているつもりでも、どんどん全体が黒っぽくなりやすいです。
ヘアマニキュアの特徴とメリット・デメリットとは
ヘアマニキュアのメリット
- 髪が痛まない
- 肌が弱くても使える
- 定期的に使えば色がキープできる
- ツヤが出る
- 白髪にも一度で色が入る
- 一度開封しても次回に取っておける
ヘアマニキュアのデメリット
- 頭皮や手に付くとなかなか落ちない
- 頭皮に付けない技術が必要となる(根元ギリギリまでは染められない)
- シャンプーの度に少しずつ色落ちする
- 水や雨に弱い
- 地毛はトーンアップできない
ヘアマニキュアは、根元ギリギリまで染められないのが難しいところです。頭皮や手に付くとなかなか落ちないので、塗布の技術が必要になってきます。
ですからセルフカラーとしてやっているという方は少ないかと思います。白髪染めではなく、おしゃれ染めであれば比較的簡単にできます。
ヘアトリートメントの特徴とメリット・デメリットとは
ヘアトリートメントのメリット
- 髪をケアしながら染めることができる
- 使うほどに髪がきれいになる
- ダメージや刺激がない
- 肌が弱くても使える
- お風呂の中で手軽に染められる
- 定期的に使えば色がキープできる
- 毎日使える
- 頭皮や手に付いても落ちる
ヘアトリートメントのデメリット
- 色落ちが早い
- 一度では染まらない場合もある
- シャンプーの度に少しずつ色落ちする
- 地毛はトーンアップできない
- 水や雨に弱い
- まれにパーマなどで変色することがある
最初は少し根気が必要だけれども、手軽でノーダメージなものがカラートリートメントになります。
3種類の中では一番色の入りは薄いことが多いですが、重ねていけば気にならないくらいになったりもします。
商品によって、手や肌に色が残りやすい物もあります。その場合はビニール手袋で対応するのがいいでしょう。
アルカリカラー・ヘアマニキュア・ヘアカラートリートメントのまとめ
お肌のタイプ、白髪量などで自分に合う白髪ケアを
いかがでしたか。
アルカリカラー・ヘアマニキュア・ヘアトリートメント、それぞれの特徴やメリットとデメリットを比較していきました。
- ご自身の白髪の状態(全体量・どこに多いのか・どのくらい気になっているのか)
- 肌の強さ(以前かぶれたことはないか・化粧品などでかゆくなったりしないか)
- すぐにしっかり染めたいのか、徐々に染めていきたいのか
この項目を見極めた上で、ご自身で選んでいくといいと思います。
またカラートリートメントひとつをとっても、メーカーや商品によって様々です。
いくつか試してみて、その中でご自身がいいと思うものを使い続けていくのもいいでしょう。