現役美容師がカラー剤の種類と選び方を解説します!
髪にも頭皮にも優しいのは同じだけど、マニキュアとカラートリートメントはどう違う?
最近人気を集めているカラートリートメントですが、実は似たと染色のメカニズムを持っているのがヘアマニキュアになります。ヘアマニキュアとは、カラートリートメント同様に、ダメージレスかつ自宅で簡単に使用することができるカラーになります。
今回は、ヘアマニキュアとはどんなものか?特徴や染色のメカニズムを美容師目線で詳しく解説いたします!また、ヘアカラーやカラートリートメントとの違いや、それぞれのメリットデメリットに関しても解説していきたいと思います。
ヘアマニキュアとは?
ヘアマニキュアとは名前は知っていても、意外と使用した経験のない方も多いかもしれません。ヘアマニキュアとは、美容室では主に白髪染めの用途として使用していくことが多いです。
しかし、明るい状態のベースの髪でしたら、鮮やかな発色で染色できるメリットからファッションカラーとしての用途で使用されることもあります。
ヘアマニキュアのメリットと言えば、まずはアレルギー反応を起こしにくい染料である点です。通常のカラー剤(白髪染め、ファッションカラーなど)は、※ジアミンという染料をして毛髪を染色していきます。
アレルギー体質の方や、お肌が弱い方はこの染料のジアミンに反応をし、かぶれや湿疹などのトラブルを起こします。その様な体質の方でも安心して使用できるという部分はヘアマニキュアの高いメリットなのではないかと思います。
※ジアミンとは、パラフェニレンジアミンの略になり通所の白髪染めやファッションカラーで、ほとんどの割合で使用されている染料になります。キューティクルの内側に染料を入れていく効果がある為、しっかりと染まります。その一方で、アレルギー反応を起こしやすい染料でもあります。
ヘアマニキュアの染色メカニズム
ヘアマニキュアとは、毛髪の表面にコーティングする事により染色していくメカニズムです。染色のイメージとしてはカラーセロファンの様なイメージになります。
白い紙(白髪)にセロファンを当てると、セロファンそのままの色が見えてくると思います。しかし、黒い紙(黒髪)にセロファンを当てて見ると、セロファンの色は見えてこずに黒色に見えてくると思います。
ヘアマニキュアとは毛髪でも同様の染色反応をしていきます。
白髪には薬液の色味と同じ様に発色しますが、黒い髪には全く染色反応を起こしません。
その為白髪染めとしての用途も高くなりますし、ファッションカラーとしてもブリーチ等の明るくしている方に使用する場合が多くなってきます。
カラートリートメントの染色メカニズム
最初にお話しした通り、カラートリートメントの染色していくメカニズムはヘアマニキュアに類似しています。
キューティクルを開かせることは無く表面にコーティングしていきます。
重複して配合されている染料もありますが、メインで使用されている染料の種類が異なります。カラートリートメントに関しては塩基性染料と呼ばれる染料がメインで使用されています。それに対してヘアマニキュアはHC染料がメインで使用されている場合が多くなります。
一般的には、塩基性染料の方が薬液の粒子が大きい為、明るくダメージしている髪の方が良く染まると言われています。ダメージによりキューティクルが開いた状態の為表面に付着しやすい現象がおきます。
しかし、白髪染め用途でカラートリートメントを使用する場合、白髪は傷んでいない健康毛の場合が高いですよね?
その為、白髪染め用途として販売されているカラートリートメントにはヘアマニキュアにも配合されているHC染料というものがやや多く配合されている場合が多いなと感じます。
HC染料は塩基性染料よりも粒子が細かく、ダメージしていなくても毛髪に付着しやすい染料になります。
また、ヘアマニキュア同様に白髪部分や、ファッションカラー等で明るくなった髪にのみ染色していきます。
ヘアマニキュアの方がよく染まる
ヘアマニキュアとは、白髪染め用途としてはカラートリートメントよりもしっかりと染まりやすいことになります。ただ、手や頭皮につくと落ちません。一方のカラートリートメントは素手でも触れます。
しかし、カラートリートメントは保湿成分や頭皮や髪に働き抱える有効成分などが配合されているため、仕上がりの手触りはヘアマニキュアよりも良い場合が多いです。
白髪染めではなく、ファッションカラーとして使用する場合にヘアマニキュアとカラートリートメントどちらを使用するか迷う方も多いと思います。
明るくダメージをしている場合どちらも良く染まると言えますが、色持ちの点では、ヘアマニキュアの方がやや優勢な印象ですが、カラートリートメントは保湿成分も多く配合されているのでオススメです。
洗うたびに落ちていきますが、その過程も楽しんでいけるのでオススメです。
ヘアカラーの染色メカニズムとは?
ヘアマニキュアとカラートリートメントは、同様にアレルギー反応を起こしにくい染料のカラー剤ということでした。
その一方で、キューティクルを開かせつつキューティクルの内側に染料を入れ染色していくヘアカラーはアレルギー反応を起こす可能性があります。
しかし、キューティクルの内側に染料をしっかりと入れる効果がありますので、白髪染めの色持ちもヘアマニキュアやカラートリートメントよりも各段に良くなります。
また明るめの白髪染めも可能ですし、ファッションカラーとしても幅広い明るさや色味の選択が可能となってきます。その様なメリットからカラーリングをしている方で、ヘアカラーを行っている方が大半を占めていると感じます。
色味のレパートリーが多いのは、美容師をしていても凄く魅力のある点だと思います。色味の細かい微調整もしやすく希望の色味に仕上がりやすい点もメリットです。
しかし、しっかりと自分に合った薬液を使用していかなければダメージに繋がる為注意が必要となってきます!
以上が、それぞれのカラーのメカニズムや特徴でした。
どの染め方が向いているの?
それぞれのカラーにメリットデメリットがあり、自分にはどのカラーリング方法があっているのか迷ってしまいますよね?ここからは、目的や好みに合わせたカラー方法をご紹介いたします。
ヘアマニキュアが向いている人
- 白髪染めをしたいけれどアレルギーで通常の白髪染めが使用できない人
- ダメージをしないで白髪を染めた人(明るく染まらなく良い方)
- 脱染した部分に鮮やかな色味を入れたい方(髪質によってはカラートリートメントの方が良い場合があり)
カラートリートメントが向いている人
- 白髪染めをしたいけど、自宅で簡単に染めたい方
- 今までカラーリングを行ってこなかったけど、白髪が気になってきた方
- 明るく脱染した部分に色味を入れたい方
- ダメージケアをしつつカラーリングしたい方
ヘアカラーが向いている人
- 明るい白髪染めを希望の方
- しっかりと白髪を染めたい方
- ファッションカラーを行いたい方
- ジアミンアレルギーが無い方
ヘアマニキュアとヘアカラートリートメントのまとめ
髪の状態、肌の状態で選びましょう
ここまで、ヘアマニキュアとはどんなものか?カラートリートメントとヘアカラーとの違いや特徴に関してご説明してきました。
ヘアマニキュアとは、アレルギーを起こしにくくダメージしにくくメリットの高いアラーリング方法ということが分かったかと思います。明るくする必要のない方や、アレルギーでない方でも頭皮の負担が少なくダメージレスで染められる部分も良い点だと思います。
また、カラートリートメントやヘアカラーに関しても、それぞれにメリットデメリットがあります。ご自分の体質や髪の状態をしっかりと見極めた上で、求める色味や質感に合わせてご自身にピッタリの方法を選んでみて下さいね!
アレルギー体質の方やお肌の弱い方は、ヘアマニキュアやカラートリートメントでも1度パッチテストを行うことを推奨します。