一般的なカラー剤と傷まないカラー剤の違いとは
カラー剤の種類を美容師が解説します
一般的なカラー剤といわれるアルカリカラー(おしゃれ染め・白髪染め)と、傷まないカラー剤の違いとは何なのでしょうか。
まず一般的なアルカリカラーは、アルカリ剤により、髪のキューティクルをこじ開けてメラニン色素を分解して壊します。それによって髪内部はダメージを受けます。
それに対して、傷まないカラーリング剤はキューティクルをこじ開けることはしません。ですから髪の毛を傷めることがないのです。
キューティクルを開かないかわりに、髪表面付近に色素を着色させて発色させるのです。
髪が傷まないカラーリングとはどんなものなのか
では髪が傷まないカラー剤にはどのような種類があるのでしょうか。
おもに使われているものは、次の3種類になります。
- カラートリートメント
- ヘアマニキュア
- ヘナや草木染め
どれも髪の表面付近に色素を着色させるので、基本的に髪ダメージはありません。
単品で使われるものもあれば、ヘナ配合のカラートリートメント等2種類ミックスして作られている商品などもあります。
それぞれ発色の仕方や作用する部分が少しずつ違うのですが、混ぜることで、それぞれの良い部分を活かすこともできます。
ここからはそれぞれの特徴や、メリットやデメリットについて説明していきます。
傷まないカラーリングその1・カラートリートメント
一番手軽にできて、セルフカラーとしても人気があるものがカラートリートメントです。
使われている染料 | 作用する部分 | 色持ち |
塩基性染料 HC染料 植物性染料 | イオン結合により髪表面に吸着して発色 小さな粒子でキューティクルの隙間に入り込み発色 髪のたんぱく質に吸着して発色 | 2週間程度 |
おもにこの中の2種類~3種類の染料を混合して作られています。
どれも髪を傷ませることはなく、トリートメント成分とも相性が良いのが特徴です。
カラートリートメントのメリット
- 普段のバスタイムの中で手軽に染めることができる
- 髪をコーティングするのでツヤ感が出る
- 白髪染めや明るいトーンの髪は徐々に染まる
- 使う頻度で染まり方を調整できる
カラートリートメントのデメリット
- 一度では染まりが薄いので何度か重ねる必要がある
- ものによっては素手では染められないのでグローブが必要
傷まないカラーリングの中では一番使いやすいのではないでしょうか。
慣れるまでは思うように染まらないかもしれませんが、ポイントがわかってくれば、使いやすくなってくると思います。
傷まないカラーリングその2・ヘアマニキュア
根元に付けない技術が必要になりますので、大体の方は美容室での施術になるのがヘアマニキュアです。
黒髪にはほとんど発色しないので、おもに白髪染めで使います。
使われている染料 | 作用する部分 | 色持ち |
HC染料 | 小さな粒子なのでキューティクルの隙間に入り込んで発色する | 2~3週間 |
ヘアマニキュアに含まれるHC染料は、口紅などの化粧品にも使われている染料です。
分子が細かいのが特徴なので、髪内部に入り込んで着色します。
ヘアマニキュアのメリット】
- 色味が豊富にある
- 髪をコーティングすることでハリ感やコシが出る
- キューティクルが締まることで髪にツヤが出る
- 重ねていくと色持ちが良い
ヘアマニキュアのデメリット
- 粒子が細かいのでシャンプーで落ちやすい
- 染まるまでやや時間が必要
- 根元ギリギリまでは染められない
- 肌や頭皮に付くとなかなか落ちない
市販品はコーム付きの状態で販売されていますので、自分で染めることも可能です。ただし根元の数ミリは染められません。自分でヘアマニキュアで染めると白髪が多い場合は、生えてくる白髪が気になりやすいかもしれません。
傷まないカラーリングその3・ヘナ、草木染め
なるべくケミカルなものは使用したくない人や、敏感肌の人に支持されている自然派のカラーリングです。
使われている染料 | 作用する部分 | 色持ち |
ヘナや草の自然染料 | 髪の表面やタンパク質に吸着して着色 | 2~4週間 |
自然の植物がもともと持っている染料で髪を染めていく方法です。
昔から使われてきた着色方法を髪に応用したものになります。
ヘナ、草木染めのメリット
- ケミカルなものではなく自然由来の物で染めることができる
- 肌が弱い人や敏感肌でも安心できる
- ヘナの場合は髪や地肌へのトリートメント効果が高い
ヘナ、草木染めのデメリット
- 染まるまでに時間がかかる
- 色が限定されていて選べない
- ケミカルな染料がミックスされているものもあるので注意が必要
自然の物なのでどうしても選べる色が少ないですが、一番肌に安心して使うことができるカラーリングです。
ナチュラル100%のものとそうでないものがありますので、きちんと確認してから使用することをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか。
傷まないカラーリングでも、意外と種類があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
是非参考にしてみてください。