自宅で手軽に染められて便利なカラートリートメント
白髪染めトリートメントのよくあるトラブルを美容師が解説します
少し白髪が気になり始めてきたひとや、美容室で染める間の期間に使用しているひとも多いと思います。
しかし『カラートリートメントをしたら髪が緑色になってしまった!』という話を聞いたことはありませんか?
結論から言うと、カラートリートメントを使って白髪が緑色に染まる可能性はあります。今回はその原因と対処法についてお話ししてきたいと思います。
髪が緑色に変色してしまう可能性のあること
大きく分けて次のような可能性が考えられます
- パーマをかけた直後、もしくは直前にカラートリートメントをした
- アルカリカラーと併用していた
- 感光性染料が入った白髪染めを使用した
なぜパーマと併用する緑色に染まる可能性があるのか
もともとカラートリートメントに使われている成分と、パーマ剤に使用されている成分は相性が良くありません。
カラートリートメントに含まれるHC染料や塩基性染料という成分と、パーマ液に含まれるアンモニアが化学反応を起こしやすいと言われています。
また後程詳しく説明しますが、感光性染料にいたってはもっと厄介です。ですから必ずではないのですが、変色する危険性はあります。
パーマをかける1~2週間前にはカラートリートメントの使用を中止し、パーマ後も1週間程度は期間をあけることで、変色の危険性は防げると思います。
また自宅でカラートリートメントを使用している旨を美容師に伝えておくのもよいでしょう。
なぜアルカリカラーと併用すると良くないのか
美容室や市販されているヘアカラーはアルカリ性です。
一方カラートリートメントは性質状、酸性の成分が多く含まれています。この性質の違いで、混ざることにより化学反応が起こり緑色に染まる事があります。
緑色と言っても濁ったモスグリーンのような色であったり、青緑のような色になったりと様々ですが、どれも決して綺麗とは言えない色になります。
化学反応した髪は、表面だけではなく内部まで染まっています。ですから、元の色に戻すという事はプロの美容師でも難しいのが現状です。
ただアルカリカラーの併用で緑に変色するということは、実際そう多くはないように感じます。
なぜ感光染料が入った白髪染めは緑色になりやすいのか
最近はだいぶ少なくなってきましたが、感光性染料という成分を使ったカラートリートメントは要注意です。硝酸銀や硫酸銀という『銀』成分が含まれた、光に反応して発色する染料です。
ものすごく簡単に説明すると、“銀が髪に付着し、酸化して錆びたように見えるので黒っぽくみえる原理を利用した”というようなイメージです。
この銀が付着した髪の上に、酸化染料やアルカリ物質が付くことで化学反応を起こします。これは私の経験上、結構高い確率で緑色に変色します。
しかも、白髪だけではなく髪全体がはっきりとした緑色に染まります。そのような状態になると、残念ながら美容師もお手上げ状態のことがほとんどです。
極力使わないでください。
もし髪が緑色になってしまったら
感光性染料はかなり難しいですが、それ以外の場合は対処方法があります。
対処法としては次のとおりです。
- まずは使用を中止する
- より暗い赤みのある色で再度染める
- 美容師に頼みブリーチやマニキュアなどで対処してもらう
赤みのある暗めのブラウンを重ねることにより、緑色が消える可能性はあります。赤は緑の補色なので、緑を消すことができます。
逆に黒染めは青みが強く入っています。より濁った汚い色になる可能性があるので、避けるのが無難でしょう。
やはり一番確実なのは、信頼できる美容師に相談することです。ある程度通っている美容室なら、髪の施術履歴もありますので確実です。
しかし、残念ながらプロの美容師でも対応できないこともあります。その場合は、色が落ち着くまで根気強く耐える必要があります。
気休め程度かもしれませんが、シャンプーの頻度を増やして退色を早めるという方法もあります。
なぜか白髪部分だけ緑っぽくなった
例外として白髪部分だけ緑や青っぽくなったという方がいるかもしれません。その場合、回数を重ねていくことで改善される場合がほとんどです。
特に赤みを抑えた白髪染め用カラートリートメントに多い現象です。定着するまでは白髪部分だけ入りが薄く、日光に当たったりした時に緑や青緑や青紫っぽく見えたりします。
重ねていくことで、白髪部分にも茶色っぽく色が入っていくので問題ありません。カラートリートメントの使いはじめの時期や、しばらく使用していないことで退色して起こります。
パーマの後でカラートリートメントを使わないように
カラートリートメントは注意して使いましょう
いかがでしょうか。カラートリートメントはうまく使っていけばとても便利なものです。
ただやはり少しの注意点が存在します。ポイントさえ押さえれば手軽に使えて髪にも良いものですので、是非上手に使っていただければと思います。