美容師が教える泡タイプ白髪染めの注意点
白髪染めはずっと続けるからダメージ少なく染めることが大事
最近では、様々なメーカーから自宅で手軽に使用できるセルフカラーリングの商品が販売されています。白髪染めをするようになると綺麗に染まったと思っても気づくとまた新生部の白髪が気になってきます。
既に白髪染めを使用している方は、感じている方も多いかもしれませんが白髪染めのループは始めてしまうとずっと続きます。
当然のことながら、美容室で白髪染めを行えばダメージも少なく綺麗に染めることが出来ます。
しかし、月に1度以上のペースになってくるとそこに時間とお金を捻出する事が難しい方も多いかもしれません。そんなときにセルフカラーリングの白髪染めを上手に利用してあげることもおススメの方法です。
白髪染めはどんな種類があるの?
市販の白髪染めは様々種類があります。明るさや色味の違いはありますが、種類としては薬剤の形状によって分かれています。
①クリームタイプ
しっかりとしたクリームの形状のタイプは、液だれしにくく白髪にしっかりと付着しやすい特徴があります。
②ミルクタイプ(乳液タイプ)
少しだけ粘度のある液状の薬剤になります。クリームタイプよりもサラッとしているので全体にムラなく行きわたりやすい特徴があります。
③泡タイプ
最近よく目にするのが泡タイプの薬剤になります。泡タイプの白髪染めは、液だれしにくく、全体にも薬剤が行きわたりやすい特徴があります。
大きく分けて以上の3種類の形状があります。
では、実際市販の白髪染めではどのタイプが総合的に使いやすく染まりやすいでしょうか?詳しく見ていきましょう!
オススメの白髪染めの形状は?
先ほどの種類の解説を見ていくと泡タイプが液だれもしにくくまんべんなく薬剤が浸透しやすい特徴がある為、良いと感じますよね?
しかし、私を含めほとんどの美容師は泡タイプのカラーリングを推奨しません。
ここからは、泡タイプを推奨しない理由を含め、3種類それぞれのメリットデメリットの特性を解説していきます。
クリームタイプのメリット・デメリット
美容室で通常使用していく薬剤の形状は同様のクリームタイプです。
3つの種類の中で1番粘度が高く、根本にしっかりと塗布されやすいメリットがあります。
また、塗布したい場所(白髪の部分)と塗布したくない場所(既に染めてある場所やダメージしている場所など)の塗り分けや部分塗しやすい点もメリットです。
デメリットとしては、見えない場所は塗布しにくく、特に後頭部など見えない部分は塗布ムラが起こしやすいです。
ミルクタイプのメリット・デメリット
クリームタイプよりも粘度が弱い為、後ろなどの見えない部分などにも薬液を付けやすいメリットがあります。一方で浸透しやすい形状の為、本来薬液を付けたくない毛先の部分にもついてしまう恐れがあります。
また粘度が弱い為、根本の白髪部分にもしっかりと薬剤が乗りにくく、染まりにくいデメリットがあります。
泡タイプのメリット・デメリット
「カラー剤をモコモコ泡にしてシャンプーの様にまんべんなく揉み混めば完成!」のようなCMは見たことがありますよね?
泡タイプのカラー剤の最大のメリットは全体にまんべんなく塗布できる点です。
当然、モコモコ泡にして揉みこむだけなので、液だれも起こしにくく簡単です。
美容師目線で考える毛先にカラー剤を付ける危険性
しかし、美容師目線で考えると白髪染めを行う際に毛先まで全体に薬剤が塗布されてしまう事は非常に危険だと感じます。
また、中間や毛先部分が退色などにより染める必要があった場合でも薬の塗り分けであったり、時間差で塗布するなどのダメージ配慮が絶対的に必要になってきます。
ダメージしやすい点から泡タイプの白髪染めは、美容師が1番オススメしにくいのです。では、泡タイプの白髪染めは上手に使うコツはあるのでしょうか?
泡タイプの白髪染めを上手に使う4つのコツ
液だれしにくい点では優秀な泡タイプの白髪染めです。その特性やメリットを生かしつつ簡単に使用出来たら良いですよね?
ダメージを起こしにくく、綺麗に染めるためのコツを美容師目線で考えてみましたので是非参考にしてみて下さい。
①トリートメントを使う
髪の長い方や、毛先等ダメージが強く出ている方の場合、毛先部分にトリートメントを塗布しておく。トリートメントを塗布しておくことで、万が一ダメージ部分に薬剤が付いてしまっても保護の役割をしてくれます。
②根本に泡をのせる
泡状にした薬剤を根本に泡を置くように乗せていきます。指やコームでかき分けながら根本に泡を乗せていくのがコツです。白髪の多い部分には根本にしっかりと浸透するように多めに泡を乗せていくこともコツになります。
泡を乗せる際に、根本以外の部分になるべく伸ばさない様に気を付けましょう。
③見えない部分の塗り方について
後ろの見えない部分を無理に塗布しようとするとダメージに繋がります。②と同様の方法でどなたかに塗布していただくか、見える部分だけに留めておく方法を推奨します。
④ラップを巻く
全体に塗布し終わるころに段々と泡だった薬剤がクリームっぽい形状に変化してきます。そうなってきたら密着するようにラップを巻き放置をします。
根本以外も染めたい方向け応用編
ダメージも気なるけれど根本以外も少し染めたいなと考えている方も多いかもしれません。ダメージが強ければ強いほど、白髪染めの薬液は濃く(黒っぽく)染色されやすい特徴がありますので注意しながら行いましょう。
根本の塗布が終わり既定の放置時間が経過する5分前のタイミングになったら根本以外の部分にも薬剤をなじませましょう。
①で記載した様に、薬剤をなじませる部分には、予めしっかりトリートメントを塗布しておきその上に薬剤が塗布されるようにしましょう。
その後、毛先の色の入り方の様子を見ながら3~7分ほどでシャンプーしましょう。以上のコツを踏まえれば泡タイプでもダメージが少なく毛先までカラーリングする事が可能になります。
毛先を傷めず簡単に根元の白髪を染めるならヘアカラートリートメントがおすすめ
毛先が染まりすぎてしまうことやダメージを受けすぎることを避け、根元を簡単に染める方法はないのかという方には、白髪ケア用ヘアカラートリートメントがおすすめです。
白髪染めとは違い1回で染まるものではありませんが、連続使用することで徐々に染まっていき、髪へのダメージはゼロです。染まってしまえば、週3日程度の利用でも白髪が目立たない状態を維持できます。
自宅のお風呂で利用できて、ドラッグストアでもよく売っています。トリートメント効果があるためより髪がツヤツヤになることもあります。
白髪ケアヘアカラートリートメントは、白髪染めの期間が空く場合に併用する方も多いです。
泡タイプの白髪染めはダメージを受けやすい
染まりにくい方はクリームタイプがオススメ
以上が市販の白髪染めの解説や、泡タイプの白髪染めを使うときのコツや注意点でした。
簡単に使用できる反面で、ダメージを起こしやすい泡カラーですが、液だれを起こしにくいというメリットもあります。
解説してきたコツを踏まえた上で使用してあげる事により、ダメージを最小限に抑えて白髪染めを行う事が出来ます。
また、応用編のコツは泡カラー以外のタイプでも使用できる方法ですので、なかなか美容室へ行く時間がないけれど全体に染めたい時にオススメです。
普段白髪が染まりにくいと感じている方は、やはりクリームタイプの白髪染めの使用を推奨します。泡タイプは空気が含まれている為薬剤に軽さがあります。一方でクリームタイプはしっかりと根本に塗布されやすいので染まりやすい傾向です。
是非、今回の記事の解説や使用のコツを参考に市販の白髪染めを上手に利用してみてください。ダメージや頭皮の負担を考慮して数回に1度は美容室での施術も組み合わせるとより安心して白髪染めを行うことが出来るのでオススメです。