増えてきた白髪を染めようとしたとき、白髪染めとヘアカラーの違いに疑問をもったことはありませんか。どちらも髪を染めるという目的はおなじですが、それぞれ異なる特徴をもっています。
この記事では、それらの特徴をくわしく解説し、どちらを使うか迷ったときの選び方までご紹介していきます。
主な成分や染まるシステムはほぼ同じ?
成分の配合の変化で「白髪染め」か「ヘアカラー」に別れる
ヘアカラーと白髪染めはそれぞれの目的に合わせて成分の配合を変えているため、異なる特徴をもっています。
しかしどちらのカラー剤も、主な成分やカラーをする仕組み、工程はほとんど変わらなかったりします。
「ヘアカラー」と「白髪染め」は、酸化染料とアルカリ剤が主な成分となる1剤と、過酸化水素が使われた酸化剤である2剤を混ぜて使います。(過酸化水素とか難しいですよね(汗難しいところは読み飛ばしてください)
簡単に説明すると以下のような流れで髪を染めています。
- 髪のキューティクルを開き、薬剤が内側に浸透する
- 髪のメラニンを脱色する(黒色を抜くということ)
- 染料が発色する
このように使われている成分や、カラーをする工程はほとんど変わりません。
そこから目的に合わせて成分の配合を変えているため、「ヘアカラー」と「白髪染め」でそれぞれ違いが生じることになります。
白髪染め(グレイカラー)とは?
名前の通り、白髪やメラニン色素が薄い(色が抜けている)髪へのカラーを目的としたのが、白髪染めになります。また「グレイカラー」ともいわれます。
通常のへカラー(おしゃれ染め)と比較した白髪染めの4つの特徴を説明します。
① 染毛力が高い
メラニン色素のほとんどない白髪を染めるため、染毛力を高くしているのが大きな特徴です。白髪と黒髪が混ざっている方がほとんどなので、両方がきれいに染まるようになっています。
② 色もちは長め
染毛力が高いことから、色もちが平均して2ヶ月前後と、ヘアカラーと比べると長くなります。
③ ブリーチ力は白髪染めのカラーによる
明るいカラーにするために必要なのがブリーチ力(髪の脱色)です。白髪染めの場合、仕上がりの色味の違いによってブリーチ力が異なります。
ブラックに近いほど、ブリーチ力は低くなります。
④ 暗い色味が得意
白髪をしっかりと染めるために染毛力を高くしており、色味がしっかりと入るようになっています。そのためイメージしてたよりも、暗い色味の仕上がりになることもあります。
ヘアカラー(おしゃれ染め)とは?
続いて、白髪染めと比較したヘアカラー(おしゃれ染め)の特徴を解説します。
① 染毛力が低い
ヘアカラーはメラニン色素がある髪(白髪,色素が薄くない髪)にカラーをすることが目的なので、白髪染めと比べて染毛力は低くなります。そのため白髪は染まりにくくなっています。
② 色もちは短め
カラーのもちは白髪染めと比べると短くなり、個人差はありますが1~2ヶ月未満となります。
③ ブリーチ力が高め
前述したように、メラニン色素のある暗い髪を明るくするために、ブリーチ力が高くなっています。
希望の仕上がりが明るい色味であれば、それだけ地毛をブリーチする必要があるため、ブリーチ力は上がります。
④ 髪にダメージがかかりやすい
明るい色にしたい場合、それだけブリーチ力が高いカラー剤を使うことになります。よって、その分髪へのダメージは高くなってしまいます。
白髪染めとヘアカラーどちらを選べばいいの?判断基準は?
白髪染めとヘアカラーの違いとそれぞれの特徴が分かりましたが、では実際にどちらを選べばいいのでしょうか?主な判断の基準をお伝えします。
① 白髪の割合がどれくらいか
白髪の割合が多い場合には、白髪染めを使う方がしっかりと染められるでしょう。暗めの色味にしたい場合は、白髪染めを用いることで、白髪もしっかりと染められて、希望の色味を実現しやすくなります。
② 白髪が目立つ場所に生えているか
白髪の量が多い場合でも、生えている場所が内側で目立たなければ、希望の色味によって白髪染めかヘアカラーか選ぶことができます。
逆に、写真のように少量でも生え際や表面に出てきてしまうような目立つ白髪であれば、しっかり染めるために白髪染めがおすすめになってきます。
③ どんな色味にしたいか
① 、②を踏まえたうえで、希望の色味を考慮します。白髪染めかヘアカラーどちらにするかを選ぶ前に、どんなお仕上がりにしたいか、好きな色味やイメージなどを思い浮かべておくといいでしょう。
美容室では、プロの美容師さんが以上のポイントと本人の希望を見極めて、カラー剤の選定をしていきます。
なので、希望の仕上がりのイメージだけしっかりと伝わるように、事前にスマホで写真などを用意しておくとスムーズです。美容師さんに相談して希望がしっかりと伝われば、あとのことはお任せしてしまいましょう!
ただ、自分で市販のカラー剤を購入するという方は、以上の判断の基準を参考にしてみて下さい。
市販の白髪染めやヘアカラーをつかうと?
美容室に通うコストや手間を考えて、市販の白髪染めを検討されている方もいるのではないでしょうか。主なメリットとデメリットや選ぶ際のポイントをお伝えします。
メリット
- 市販のカラー剤だと価格が1000~3000円と大幅にコストカットができる
- セルフで出来るので、美容室に行く手間が省ける
- 慣れてしまえば簡単にできる
デメリット
- 希望の仕上がりにならない可能性が高い
- 市販の白髪染めの場合、色味が出すぎることがある
- 色ムラになってしまうことがある
- 失敗した時に修正するのが難しい
市販のカラー剤を選ぶ時のポイント
① 初心者で自信がない方はホイップタイプがおすすめ
ホイップだとシャンプーをするように髪全体を包みこめるので、ムラを防げます。
② 白髪染めの場合、希望より少し明るい色味を選ぶ
白髪染めは染毛力がつよく、濃く染まりやすくなっています。そのため、理想とする色味よりも若干明るめのものを選ぶといいでしょう。
セルフカラーの注意点
市販のカラー剤は、使い方が簡単で価格も安価なため、初心者でも試しやすいです。
しかし簡単だからといって、使用方法や注意点をよく読まずに“誤った使い方”をしてしまうとトラブルの危険性があります。使用する前に、必ず取り扱い説明書や注意をしっかり読みましょう。
迷ったときはプロに相談
市販のカラー剤を使って、ムラになったり色味を失敗してしまうと、美容室にいっても綺麗に修復することが難しかったりします。
状態によっては、過度なダメージを防ぐ為にお断りされてしまう可能性もあります。
心配な方は市販のものを試す前に、プロの美容師に今後のケアを相談してみるのも一つの手です。
良いアドバイスをくれたり、あなたの髪質や希望に合った方法を教えてくれるはずです。
白髪も染まるのが白髪染め
白髪量、目指す色によって決めましょう
白髪染めとヘアカラーの違いと、どちらを選べばいいかの判断基準までご紹介しました。
自身の髪の状態やお好みのカラーなどによって、最適なカラー剤が変わるのだとお分かりいただけたかと思います。
女性はヘアスタイルで印象ががらりと変わります。自身にあったヘアケアの方法をみつけて、おしゃれを楽しみましょう!