まだ若い白髪なんてと悩んでいる方へ
現役皮膚科医が白髪ケアを解説します
白髪でお悩みの方は多いと思います。白髪で自分の年齢を感じてしまう場合もありますね。
また、若い時に白髪が増えてしまった場合は「どうして…」と心配になることもあると思います。
今回は、皮膚科医の立場として、白髪の原因と対策についてわかりやすくご紹介します。
白髪はどうしてできるの?
髪は、毛根にある毛母細胞でつくられます。黒い髪の場合、色素細胞であるメラノサイトがつくるメラニン色素が取り込まれることで黒い色になります。
メラノサイトの働きがうまくいかないと、メラニン色素が髪に取り込まれず白髪となります。
若白髪と白髪はどう違うの?
加齢による白髪の場合、細胞の老化によってメラノサイトの働きがうまくいかずに白髪になってしまうことが考えられます。個人差はありますが、加齢による白髪は30代後半くらいからみられるようになることが多いです。
若白髪の場合、10代、20代頃から増えてくる白髪のことを言います。若白髪の場合、何かしらの原因によってメラノサイトの働きがうまくいっていない状態が考えられます。
原因としては、1つではなく、様々な要因が関連していると言われています。
若白髪のおもな5つの原因
①遺伝
若白髪の原因について、主に5つを挙げて詳しくご紹介します。
両親のいずれかが若い時から白髪が多い場合、遺伝的な原因が考えられます。特に若白髪の場合は遺伝的な原因がある場合も多いと言われています。
白髪と遺伝の関係については、医学的にはっきりと改名されているわけではありませんが、遺伝的にメラノサイトの生存・維持がしにくい、メラノサイトでメラニン色素が生成されにくい、メラノサイトで作られたメラニン色素が髪に取り込まれにくいなど、髪の色素の形成・取り込みの過程で遺伝的な原因によって白髪になることがあると言われています。
遺伝的な原因は変えることは難しいですが、以下に述べるような遺伝以外の原因を解決することで白髪を減らすことができる可能性はあります。
②栄養不足
食生活の乱れも若白髪の原因の1つになると言われています。極端なダイエットや偏食などによる栄養不足が続くことで髪への栄養が不足して白髪になってしまうことがあります。
特に必要な栄養素を以下に挙げます。
たんぱく質
髪の毛の主成分はケラチンというたんぱく質です。そのため、たんぱく質をしっかり摂ることは髪への栄養補給のために重要です。
ミネラル
ミネラルの中で髪の成長に特に関わっているのは、アルギン酸と亜鉛です。アルギン酸は、髪の保護や肌の乾燥を防ぐ効果があります。海藻類に多く含まれます。
亜鉛は、髪の主成分であるたんぱく質の吸収を助ける働きがあります。魚介類、ナッツ類に多く含まれます。
ビタミン
ビタミンの中で髪の成長に特に関わっているのは、ビタミンCとパントテン酸です。ビタミンCは、髪や肌の重要な成分であるコラーゲンの生成に必要です。また、肌の代謝を助けます。野菜、果物類に多く含まれています。
パントテン酸は、体のあらゆる細胞の代謝とエネルギー産生に関わっています。また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関わり、髪や肌の健康維持を助けています。レバー、納豆、魚介類、卵などに多く含まれています。
③ストレス
ストレスがあると自律神経が乱れることで血管が収縮し、頭皮を含め、全身の血行が悪くなります。
髪への栄養は主に血液で運ばれるため、血行が悪くなると、栄養素が毛根まで届きにくくなり、白髪の原因となります。
④睡眠不足
睡眠の質の不足、量の不足などがあると、自律神経が乱れる要因になります。そのため、ストレスの場合と同様、白髪の原因となることがあります。
⑤紫外線
紫外線を多く浴びることで、肌で活性酸素が増えます。活性酸素が増えると肌の細胞や遺伝子が正常に働きにくくなり、肌の老化が進みます。
それによってメラノサイトの働きもうまくいかなくなり、白髪の原因になります。
髪は日焼けしないからと言って顔しかケアしない方は多いですが、髪や頭皮にとっても紫外線はマイナスです。
今すぐ始めよう 若白髪対策!
①バランスの良い食事を心がけましょう
白髪の原因に対して、毎日の生活から取り組める対策を挙げました。白髪の対策は、肌への対策、体の健康への対策にもつながりますので、ぜひ取り組んでみてください。
髪の栄養に必要な、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを意識して、特に、肉類、魚介類、卵、大豆製品、果物、野菜、海藻類などを意識して摂るようにしましょう。
②リフレッシュできる時間を作りましょう
現代の生活の中で、ストレスを完全になくすことは難しいですが、リフレッシュの時間をつくることで体や心の疲れや緊張をほぐすことができます。自分に合ったリフレッシュ方法を探してみましょう。
③頭皮の環境をより良くしましょう
頭皮の血行が悪くなることも白髪の原因の1つに挙げました。それに対しては、頭皮のマッサージやヘッドスパが効果的です。
サロンなどでやってもらう方法もありますが、ご自身でシャンプーをする時や髪の手入れの時にマッサージをするだけでも血行の改善につながります。
④早寝早起きをしましょう
夜更かしを避けて、早寝早起きを心がけましょう。規則正しい生活リズムが、量も質も良い睡眠につながります。
⑤紫外線対策をしましょう
外出する時にはできるだけ帽子や日傘を使って、髪に紫外線が当たるのを避けるようにしましょう。
白髪は隠すことができます
これまで、白髪にならない対策を挙げましたが、それでも白髪をゼロにすることは難しい場合があります。
気になる白髪については、部分的な白髪染めや、髪全体のヘアカラーなどによって隠すことができます。
薬局で販売しているものから美容院でのヘアカラーまで様々な方法がありますので、白髪でお悩みの方は試してみるのも良いでしょう。
白髪対策は健康対策
コツコツとした健康管理で白髪を増やさない
髪をいたわる生活は、体全体をいたわる生活につながります。
毎日の生活のひと工夫で、髪も体も健康な生活を目指していきましょう。