白髪を予防するためにとるべき栄養素ってあるの?
栄養不足も白髪の原因に
髪の毛は、根本にある毛母細胞という場所で作られていますが、メラノサイト(色素細胞)がチロシナーゼという酵素の働きを受けて黒髪になります。
しかし加齢や栄養不足、睡眠不足、ストレスなど様々な理由により、チロシナーゼの働きが低下すると髪に色素が行きわたることができず、白髪になってしまいます。
つまり、栄養不足や不規則な生活などの生活習慣も、毛髪と関係しているのです。
お食事からのアプローチも大切
髪の毛の主成分はタンパク質のケラチンですので、タンパク質をはじめ、タンパク質の代謝を促すビタミン・ミネラルなどの栄養素などを不足しないように補うことが大切です。
よく「髪の毛には海藻を食べたら良いの?」と質問されることがありますが、答えは△です。海藻に含まれるミネラルももちろん大事な栄養素ですが、色んな栄養素をバランスよく補い栄養不足にならないことがポイントです。
では、実際にどのような栄養素を意識して摂れば良いのでしょうか。次の章では白髪の予防に必要な栄養素を解説していきたいと思います。
白髪を予防するために意識したい栄養素
タンパク質
タンパク質は、髪の毛の合成に欠かせない栄養素です。ケラチンというタンパク質は髪の毛の主成分で、8割ほどを占めています。その為、タンパク質が不足すると、ハリやコシのない髪になったり、白髪の原因となったりします。
タンパク質は身体で合成することができないため、口から摂取しなければならない必須栄養素の1つです。
厚生労働省の策定している日本人の食事摂取基準(2020年版)によりますと成人女性1日あたりのタンパク質推奨量は、50gです。(男性の推奨量は65g)
例えば、50gのタンパク質を摂取しようとすると、1日あたり「鶏のむね肉(皮なし)」を250g程度食べる必要があります。全てを肉類で摂取する必要はありませんが、3食に分けてきちんとタンパク質を補いましょう。
タンパク質を含む食品
タンパク質を多く含む食品は、豚肉、鶏肉、牛肉などの肉類や卵、乳製品、魚介類、また大豆のような植物性の食品にも含まれています。
乳製品や肉類でタンパク質を補おうとすると、脂質が多くなりカロリーが多くなってしまいますので、お肉だけでなく、魚や大豆製品もまんべんなく取り入れることがポイントです。
また、どうしても食事のみでタンパク質をとることが難しい場合には、プロテインなどを活用しても良いでしょう。豆乳など飲み物でこまめにタンパク質を補うという方法もおすすめです。
亜鉛
亜鉛は、細胞の合成に関与する栄養素です。亜鉛はアミノ酸からケラチンを生成する際に働くため、亜鉛不足にも注意する必要があります。
亜鉛は、牡蠣や豚レバー、卵黄などに多く含まれていますが、その他牛肉や粉チーズ、納豆にも含まれています。
また、亜鉛の吸収率は低いため、吸収率を高めるビタミンCと一緒に補うことが望ましいでしょう。
例えば...
などです。亜鉛は不足しがちな栄養素の1つですので、日ごろから亜鉛を多く含む食品を意識して補うようにしましょう。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性ビタミンの1つで、チロシナーゼの活性と関与している栄養素です。
肉類や魚介類、レバー、チーズなどに多く含まれているので、これらの食品を取り入れると良いでしょう。
またビタミンB12は、動物性の食品に多く含まれているため、肉類をあまり食べない方や菜食主義の方、極端な食事制限をしている方は不足しやすい栄養素の1つです。
鉄
鉄は、ヘモグロビンや各種酵素を構成しています。ヘモグロビンは身体の中の各臓器に酸素を供給する役割を担っています。
また鉄はコラーゲンの合成にも関与しており、不足すると頭皮のコラーゲン合成にも影響を与えます。その為、毛髪の健康には欠かせない栄養素の1つなのです。
鉄は、レバーや牛肉などの肉類、マグロ、カツオなど赤身部位に含まれるヘム鉄や、ほうれん草やモロヘイヤ、小松菜などの葉野菜に含まれる非ヘム鉄があります。
非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べると吸収率が低いのですが、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収を上げることができます。
鉄も、亜鉛と同様不足しやすい栄養素の1つですので、鉄を含む食材を毎日の献立に取り入れて補いましょう。
美髪につながる食生活
バランスよく偏らないことが大事
白髪は、加齢やストレス、睡眠、栄養不足などの様々な原因により起こるため、予防のためには栄養素をしっかり補うことが大切です。
基本的にはバランスよく食べることがポイントですが、髪の主原料となるタンパク質を中心に亜鉛や鉄などのミネラルやビタミンB12などのビタミン類を意識して補うようにしましょう。
- 参考:白髪が生じるメカニズム