医師が教える髪の毛根チェック
未来の髪の状態を予測して対策しましょう
白髪が増えてくると、誰もが気になるものです。そして、これからどうなるのか、白髪がどんどん増えてしまうのか、それとも、黒髪に戻るのか、考える方も多いと思います。
今の髪の毛の状態と今後の髪の毛の変化について、毛根を見ることで予測することができます。
今回は、白髪と毛根の関係についてを中心に解説します。
髪の毛が作られるメカニズム
まずは、黒髪が作られるメカニズムを解説します。
髪の毛は、毛根にある「毛母細胞」で作られて成長します。その際に、「色素幹細胞」から作られた「メラノサイト」という細胞が毛根に取り込まれて、メラノサイトが「メラニン色素」を作ることで髪の毛の色が黒くなります。
つまり、もともと髪の毛は白髪ですが、毛根でメラニン色素が含まれることで黒髪になるのです。
白髪になるかどうかは毛根で決まる
前述のように、髪の毛はもともと白髪で、そこから黒髪になるには、「色素幹細胞」から作られる「メラノサイト」が作る「メラニン色素」が必要です。
そのため、色素幹細胞かメラノサイトの機能に異常が起きると白髪になってしまいます。
具体的には、以下のようなことがあります。
そして、黒髪になるか白髪になるかは、毛根で決まります。
毛根の色で髪の毛の状態をチェック
①毛根が白い場合
今後、黒髪になるか白髪になるかは毛根で決まるため、毛根の色をチェックすると髪の毛の状態が分かります。
抜け落ちた白髪の毛根が白い場合は、色素幹細胞の異常で毛根にメラノサイトが取り込まれていないか、メラノサイトがメラニン色素を作れない状態になっているかが考えられます。
この場合は、白髪が黒髪に戻る可能性は低くなります。
そのため、白髪が気になる場合は白髪染めをするか、根元でカットするなどで対応しましょう。
白髪を抜いたり引っ張ったりして刺激すると、頭皮と周囲の髪の毛を傷つけてしまうため避けましょう。
そして、新たな白髪を増やさないように、白髪対策をすることをお勧めします。
②毛根が黒い場合
抜け落ちた白髪の毛根が黒い場合は、毛根のメラノサイトにメラニン色素を作る機能が残っていることが考えられます。
この場合は、一時的に白髪になっただけで、再び黒髪に戻る可能性が高くなります。
そのため、諦めて白髪を抜いてしまったりせずに、黒髪に戻るかどうか、確認していきましょう。
そして、再び白髪にならないように、白髪対策をしていきましょう。
身近にできる白髪対策!
白髪の原因としては、主に以下のようなものがあります。
- 加齢
- 遺伝
- 栄養不足
- 運動不足
- 睡眠不足
- ストレス
- 喫煙
そのうち、加齢が最も多い原因と言われています。
加齢、遺伝については対策は難しいですが、日常のひと工夫で改善できることがあります。
身近にできる白髪対策をご紹介します。
①バランスの良い食事を心がけましょう。
髪の毛の主成分であるケラチンのもととなるたんぱく質、メラノサイトの活性化を助ける亜鉛、チロシン、ヨードなどを含めた食事をお勧めします。
主な食品
- たんぱく質:肉、魚、卵、豆類など
- 亜鉛:牡蠣、レバー、牛肉など
- チロシン:チーズ、納豆、豆腐、バナナなど
- ヨード:ひじき、わかめ、のり、とろろ、もずくなど
②適度な睡眠と運動を心がけましょう。
睡眠不足、運動不足は全身の血流の悪化を招き、細胞の働きを低下させます。それは、色素幹細胞、メラノサイトの機能低下に繋がります。
③ストレスをためないようにしましょう。
ストレスをためることは、全身の血流の悪化、活性酸素の増加を招き、これも色素幹細胞、メラノサイトを含めた全身の細胞の働きを低下させます。
④禁煙を心がけましょう。
喫煙も健康に害があるのはもちろん、髪にもよくありません。
白髪のメカニズムを知って対策しよう
まずは毛根チェックしましょう
今回は、白髪ができるメカニズムに基づいて、毛根の色に注目することで今後の髪の毛が白髪になるか黒髪になるか確認できることをお話しました。また、身近にできる白髪対策をご紹介しました。
白髪が気になったら、まずは毛根を確認してみて下さい。また、白髪対策として生活習慣の改善を心がけてみましょう。